いつまでも愛着の続くデザインを

住まいのデザインを考えるのは楽しいことです。ただし、あまりにもこだわり過ぎると思わぬ落とし穴にはまってしまう場合があります。よくありがちなのは、一時の好き嫌いでデザインを決めてしまうこと。住まいは数十年にわたってずっと眺め続けるものなので、いつになっても愛着が続くもの。できることなら、時が経つほどに素材の経年変化などにより味わいが出てくるものが理想的です。無垢材を使った内装などは、定期的にワックスを塗り込んで手入れをするなどにより、新築時にはない深みを楽しむことができます。
周囲の景観との調和を考えたデザインを

住まいは個人の所有物ではありますが、同時に街の景観を構成する要素のひとつでもあります。そのため、個人の好みだけで特異なデザインの住宅を建ててしまうと、周囲の環境から浮いた存在になってしまいます。また、そのことはご近所との関係も微妙にしてしまう可能性もあります。
京都市の中心部から西陣エリアにかけての京町家のまち並み、昭和初期に建てられた日本家屋の残る落ち着いたまち並み、戦後に開発されたモダンな住宅街、新築であってもこれらとの調和を考えたデザインが必要だと考えます。
BIMソフトを使ってシミュレーション

BIMとはBuilding Information Modelingの略で、コンピューター上に建物の3次元モデルを作成し、設計から施工、維持管理まで、建築に関する情報を一元的に管理・共有する仕組みです。建築業務の効率化をコスト削減、コミュニケーションの円滑化を図るシステムです。
BIMは、設計段階の建物を立体としてさまざまな方向から眺めたり、内部を歩いたり、断面を見たりができます。これにより、着工前に内外観を直感的に検討できるため、完成時の「こんなはずじゃなかった…」を防ぐことができます。
